tempo・・・
ぁ・・・いきなり、余談を言いたくなっちゃいました~
テンポって、速度のことではあるんですが、イタリアではお天気のこともtempoという言葉を使うんですよ。
ファ ベーラ テンポ!
(なんていいお天気なんだ!)
ファ ブルット テンポ~
(お天気悪いね~)
いつも面白いな~と思って、生徒さんに余談で言ってしまうんですよ~
ストレッタ・・・クエスタ スカルペ エ ウンポ(ウン ポーコのこと・・・ちょっと、、ってことです)ストレッタ「この靴ちょっぴりキツイわ~」きゅうくつ、、ってこと
フェルマータ って書いてある所で待ってたら、バスが来る・・・バス停・・・昔は停留所、、、しばらく待てっていう事ね
スビト(スービト)・・・カッフェ ぺルファボーレ! スィ(シ) スビト!・・「コーヒーちょうだい」「はい、ただいま(ただちに)」・・・すぐにお持ちしますってこと
あげてたらキリがないですが、日常使われる、イタリア語の意味知ってると、面白いです。
ベートーヴェンは、やはりこのイタリア語に関して、、ばかりではないのですが、イタリア人のサリエリに学んでいるし、モーツァルトは子供の頃、ヨーロッパ中旅してまわっていたから、イタリア語も堪能で、イタリア語でも手紙を書いていたりするんですよ。
初期のオペラはイタリア語でしたしね。
グアールダ グアールダ!~~見ろ見ろ!・・・可愛い女の子たちがたくさんいるぞ・・と、好色の男が言ってましたね。。
ぁ・・・でも私、イタリア語堪能ではありません。。あいさつ程度です。
旅先で、、ロンドンとか、ハンガリーやドイツでもだったな~ イタリア人つかまえて、たどたどしいイタリア語で話しかけると、やーさしいイタリア人が、初歩的なイタリア語を使って(なるべく原型で。。でもこれがまた余計に分かりにくかったりはするんだけど、分かりやすくしゃべってくれるための配慮だとはわかった)答えてくれたり、いい人たちだったなぁ。。
はいっ! 余談終わり~
ながーい余談になっちゃいました。。。
「テンポが気になって。。」
とおっしゃるお母さんが、むかーしから多かったんですよ。
最近気づいた。。
そうか、お母さんは、ハーモニーとか、内声の動きとかわからない人が多いから、テンポが余計に気になるのね。。
でも、悪い事じゃないですよ。
テンポ、大事ですから~
でも、内声などが、流れとしてだけでもいいから聴き取れるようになると、音楽の深さがもっと感じられるでしょうね。
いきなり転調、、じわじわ転調、、、さまよい続け、やっと主題へ。。。
みたいなのも、何調かわからなくてもいいから、ハッ なにかが違う!だけでもいいから気付けるといいですよね。。
って、これお母さんだけじゃなくて、弾いてる本人も、なかなか。。。って場合もあるので、気付こう~
よく言うんだけど、これは一流シェフが作ったお料理です。。と言われて、だから美味しんだ。。って思うんじゃなくって、、なんだかいつもと違う深い味わいだ。。などと自分の舌で感じて、よーく味わってから、実は・・ていう方が、順序としてはいいんだよ。。
と、そんな話します。
理由付けではなく、まず感じる。
それから知る。
音楽も、分析の前に、感じる。。それから、なーるほど~と理屈が付いてくる。。そして演奏するときは、またそこから離れる。
あれ・・・また余談になっちゃってました~
はい、テンポの話。。
昨日のblogの3人の偉大な秀ちゃんのおひとり、斎藤秀雄先生の本。。これはご本人が書かれたのではなく、レッスンや授業でおっしゃったことが、本となっている、「斎藤秀雄講義録」というものなのですが、生き生きと音楽について語られていて、興味深い本です。
音楽芸術とは メロディーについて 音楽の構造を考える リズムとテンポ
このように本がまとめられ、各講義やレッスンの様子がリアルに再現されているかのように感じます。
機械的なリズムと有機的なリズム、、ずれがあるから面白い、、音についての錯覚、、アゴーギク、、音楽の分布は言葉からくる、、何故モーツァルトは難しいか、、、興味深いことは満載ですが、ショパンと同じように、メトロノームを使え、そして離れろ・・・もおっしゃってますね。
引用・・・(略)・・・ある、速くなる気持ちが聴衆の方に湧いてくるのにそれ以上速くならないと、のろくなって聴こえる。あなたものろくなって聴こえたでしょ。僕ものろくなったように聞こえたんだけど、実際はイン・テンポなんだと思うんですよ。・・・(略)・・・だからこれが特別のろくなったとは思わないけれどえらく不満に思うんですね、人間的な感情から言って。それでクレッシェンドもいつも中途半端で盛り上がりきらないですね、これは。
吉田秀雄さんの本の中にも、微妙なテンポ設定の変化を必要とする。。。などのような言葉がありました。
ピアニスト及川浩二さんのレッスンを受けた時も、ベートーヴェンはちょっとした隙間を必要とする・・・もちろん本当に微妙なニュアンスですよ・・・とおっしゃっていましたね。
実際ピアニストのCDのテンポを計ってみたって、ずっとメトロノーム通りっていう事は絶対にないです。
場面によって、微妙な変化を、おそらく「あえて」作っている。
もちろん彼らの能力をして、メトロノーム通りに弾けないはずはない。。けれど「戒律」を厳しくしすぎると「人間性」が出てこない。
ここが難しいところなのです。
そこに演奏家の姿勢や人生観などが出てくるんですね。
もちろん不軌奔放ではいけない。
ともおっしゃっています。
またまた一つ余談。
子供の頃に、「オーケストラがやってきた」という番組をやていて、山本直純さんが司会や指揮をなさっていたのですが、若き中村紘子さんが一人2台ピアノというのをされた。。
これはもう驚きでしたね!
直純さんが「紘子ちゃんならできる」と言って、まず第一ピアノを中村紘子さんが弾く。。そうして、着替えて、また第2ピアノを中村紘子さんが弾く。
テレビの収録ですから、そこに集まったお客さんは別々に聞いている。
そして放送の時、これを合体させて放送する。
ぴったりあっていました。。
仰天ものでした。
ああいう人たちには、朝飯前のことなのか??
これもテンポ感の問題です。
またまた余談。
この山本直純さんという人は、一番、誰でもわかりやすく紹介すれば「こぶたぬきつねこ」の作曲者。
で、「大きいことはいいことだ」等、菓子メーカーのCMにも出ていらっしゃったくらいおちゃめな方で、飛んだり跳ねたりの指揮をしておられましたが、実は良家のご子息で、立派な音楽才能教育も受けていた、そうとう凄い人だった。。のちに有名な指揮者になった人たちの仲間で、若き日は憧れや目標とされた方だったそうです。。深いお考えがあって、ああいうスタイルをとられたのでしょう。
「オーケストラがやってきた」という番組も、おそらくアメリカでバーンスタインがやっていた番組を参考にしたものだと思われます。
斎藤秀雄さんは、ものすごい指揮者であり教育者だった・・もちろん芸術家。
斎藤秀雄さんの父君が有名な国語学者?だったようで、非常に分析能力に優れた人で、教えた生徒は数知れず、未だに慕われている方です。
もちろん故人です。
いろいろ単純ではなくて。。
だからこそ、面白いんですがね~
さて、またリアン、整体&マッサージ、、お友達とランチ。。。楽しいレッスン
では~